MOIS MUN Circle is now up and running! -Why MOIS needs MUN― by MOIS MUN Circle

Outline

Chap.1 MOIS MUN Circle代表より

1.綾部真宙

2.木ノ内遥也

3.鈴木輝真

Chap.2 模擬国連(Model United Nation)とは

1.MUNのMは「Model」のM!

2.国際連合(United Nation)との違いは?

3.なぜ今多くの学校でMUNが人気なのか

4.まとめ、MUNとは

Chap.3 MOISとMUNの親和性

1. MOISの教育理念

2. MUNの目指す姿、MOISの目指す姿

3. 「国際社会」の英語―Not外国語学校, But国際学校―

Chap.4 英語を用いた高等教育の学び

1.日本の高校における英語の課題

2.「伝わる」英語

Chap.5 参加者同士の好影響

1. アクティブ・ラーニング

2. ただ乗りを許さないMUN

3. ロールプレイ型ワークショップ

Chap.6 これからのMOIS、これからのMUN

1. 今後の目標

2. 目標達成までの課題、MOISとMUNの理念を追求するために

Chap.7 まとめ

1. MOIS MUN Circleに参加しませんか?

2. 代表の意気込み

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Chap.1 自己紹介

1.綾部真宙

大宮国際中等教育学校6年の綾部真宙です。 

私は、5年次に英語探究の授業でプロジェクトを行うにあたり、自分のスピーキングスキルを特に向上させたいと思い、模擬国連に挑戦してみようと決めました。模擬国連は、フォーマルな英語とカジュアルな英語を両方使う場面があり、それぞれのスキルを成長させることができる点が大きな魅力です。外部の模擬国連に参加した際には、周りの英語力の高さに圧倒されましたが、そこに飛び込んでみることで、自分自身大きく成長できたと思っています。また、「世界を日本以外の国の視点から見る」という経験は、模擬国連ならではの面白さだと思います。模擬国連で気付いたこと、学んだことは、これからの社会をよりよくしていくための糸口になり、自分自身の今後の生活にもつながってくるのではないかと思います。そういった点からも、模擬国連の魅力をより多くの人に発信するべく、鈴木君や木ノ内君とサークルを設立する運びとなりました。ぜひ、このブログを通して模擬国連について少しでも関心を持っていただければ嬉しいです。 

2.木ノ内遥也

こんにちは、木ノ内遥也です。 

私は、今年の1月に「JEIMUN」という模擬国連に参加したのがきっかけでこのサークル立ち上げメンバーになることとなりました。その模擬国連はとても過酷で、周りの英語力に圧倒されながら、なんとか必死に食らいつくという3日間でした。そして、このレベルにたどり着くには中学生、または高校の早い段階からこの模擬国連の複雑なシステムに慣れ、たくさんの場数を踏んでいく必要があると感じました。実は、このサークルのメンバーから私が参加した「JEIMUN」で最優秀賞をとる人材を育て上げるのが私の目標でもあります。帰国子女が多く集まる集団で、リーダーシップを発揮することは、決して容易ではありません。しかし、ここに集まる仲間とともに切磋琢磨することで、それは達成可能だと信じています。そして、何より私が思う模擬国連の醍醐味である模擬国連でつながる人との出会いを楽しんで、自分のスキルを磨いてほしいと思います。そして、このブログをご覧の皆さんにも「模擬国連を経験してほしい」と少しでも思ったらぜひ参加してみてほしいです。ぜひ模擬国連を通して成長した自分の姿を思い浮かべて、1歩踏み出してください。 

3.鈴木輝真

こんにちは。大宮国際中等教育学校6年の鈴木輝真です。

私が模擬国連に参加したのは、5年生の夏の頃でした。英語探究という授業(現在のLAP)で、何か英語に関するプロジェクトをやろうと思ったときに、Mr. Semansからさいたま市模擬国連の話を聞き、そこで綾部君と一緒にやってみようと思い立ったのがきっかけです。同じ一期生の中には、すでに何度か模擬国連をやっている人がいたのですが、私は5年生になって初めて体験したイベントだったので、なにから練習をすればいいのか、何を調べればいいのかもわからず、手取り足取り調べながら本番に向けて準備を進めていました。この経験が、後にMOIS MUN Circleを立ち上げる一つの要因にもなっています。つまり、私が初めて模擬国連に参加したときのように、何から手を付ければよいのかわからない人たちのサポートをすることができる組織があればよいなという思いから、このサークルを立ち上げました。

また、私がさいたま市模擬国連に参加した時、このイベントをもっとMOIS生に知ってほしいと思ったことも、立ち上げの理由の一つです。なぜなら、MOISが目指す学習者像とMUNを通して得られる経験の親和性がとても高いと思ったからです(この説明は、第三章で詳しく説明しています)

このブログを読んでくださる皆さんには、ぜひ一度模擬国連について知っていただければと思います。このブログでももちろんご説明いたしますが、実際に参加するのもいかがでしょうか。

「模擬国連って英語が喋れる人じゃないと参加できないんでしょ」

こう思っている方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、このブログをお読みいただければ「私も模擬国連に参加できるかも」となるはずです。ぜひ、最後までお読みください!

Chap.2 模擬国連(Model United Nation)とは

1.MUNのMは「Model」のM!

そもそも、模擬国連とは何でしょうか。模擬国連は、英語で「Model United Nation(通称MUN)」と呼ばれています。

国際連合は、第二次世界大戦後の1945年に発足された、「平和維持と社会発展を目的とした国際機関」であることは皆さんご存知かと思います。しかし、ここで一つ疑問なんは、模擬国連の「模擬(Model)」とは何かということです。

模擬国連は、遡ること100年前、アメリカのハーバード大学で開催された「模擬国際連盟(Model League of Nations)」を起源としています。国際連盟は、第一次世界大戦終了後に組織された組織ですが、国際政治の仕組みや、国際問題の解決までを実際に体験することができる教育プログラムを、高校・大学で実施しようということで始まったのが模擬国連なのです。

そして模擬国連では、国連会議の中でも特に重要な、各国の大使が他国の大使と定められたトピックについて話し合う過程を切り出したイベントです。具体的に言えば、模擬国連はそれぞれの国が公式な場で意見を表明するFormal Speechと、大使同士で意見交換をおこなうModerated Caucus, Unmoderated Caucusに大きく分けられます。そのため、「模擬」国連は、「国連の重要な話し合いの部分を抜き出しているのだ」と覚えてください。

2.実際の国連(United Nation)との違いは?

勿論、模擬国連は実際の国連と異なるところがいくつかあります。まず、模擬国連で参加者が担当する国は、毎回ランダムになります。まあ参加人数も異なりますので当然のことです。国際連合(United Nations)では、各国の決められた大使が会議に出席しますが、模擬国連では毎回の会議で異なる国を担当することが日常茶飯事です。つまり、模擬国連は、継続して参加することで様々な国の視点から国際問題に取り組むことができます。これは実際の国際連合でできることではありません。

また、実際に参加してみるとわかりますが、模擬国連の面白いところはDRにあります。模擬国連では、各国の大使が協力し、最終的に一つのDraft Resolution(決議草案)という文書を作成します。実際の国際連合でもこの文書は作成しますが、模擬国連の良いところは、いい意味で「DRに影響力がないこと」です。つまり、模擬国連内で決まったDRは、実社会に適用されないので、自由な発想で解決策を探ることができるのです。実際の国際連合にはない切り口から、国際問題の解決策を考えることができるのも、模擬国連が国連と大きく異なるところです。ある意味で言えば、いろいろな可能性を秘めているということですね。

3.なぜ今多くの学校でMUNが人気なのか?

JMUNによると、現在、世界ではおよそ400の模擬国連会議が高校や大学で開催されているそうです。しかし、その数はMOIS MUN Circleのように日々拡大しているので、実際はもっと多くの模擬国連が開催されているでしょう。それでは、なぜこのように世界中で模擬国連が行われているのでしょうか。理由は様々ですが、以下のようなものが主に挙げられるでしょう。

  • 英語力の向上

日本で開催されている模擬国連の中には、日本語のみで開催されるものもありますが、実際には英語と併用だったり、英語のみで開催されたりする場合が圧倒的に多いです。そのため、模擬国連に参加する生徒の多くは英語力(特にスピーキング能力)向上や、英語を使う機会を増やすことを目的として模擬国連に参加しています。私の周りの高校生や、勿論私自身も英語力向上を参加の目的の一つとしていました。

また、模擬国連では「Formal Speech(公式討議)」と「Unmoderated Caucus(非着席討議)」というものがありますが、この二つの間で使用する英語が異なることも特徴でしょう。Formal Speechは、文字通り「フォーマル(正式)」なので、丁寧な英語を用いて話さなければいけません。私自身、普段はあまりフォーマルな英語を勉強しないので、模擬国連に参加して初めて知った単語や話し方もありました。

一方、Unmoderated Caucusは、他国の大使と自由に話し合いができる時間であり、カジュアルな英語を用いても問題ありません。状況に応じて英語を使い分けることは、普通の学校の授業で習うことが少ないですが、模擬国連では、このようにただ英語を話すのではなく、場面や相手に合ったコミュニケーションを身に着けることができます。日本語でも、大勢の前で使う言葉と友達と二人でいるときの言葉は異なりますよね。英語の場合も同じなのです。

  • 他校との交流

模擬国連には、大きく分けて二つの種類があります。一つは在学している高校・大学の中のみで行われるドメスティックな模擬国連。規模が小さいので高頻度で開催することができ、その分様々な国際問題取り扱いながら、多角的に国際問題を知る機会ができます。国連の仕組みや話し合いの進め方に慣れたり、英語力を高めたりする上ではかなり効果的でしょう。

また一方で、他の学校と連携して開催したり日本模擬国連で開催されたりする、よりオープンな模擬国連もあります。この模擬国連の利点は、ある程度の緊張感を保ってより本格的に模擬国連に携わることが可能なことです。今まで練習してきたことが外の環境でどの程度通用するのかをはかれたり、他校の生徒から、リーダーシップをとって会議をまとめる方法も学ばたりするでしょう。

皆さんも、普段の英語の授業は学校で慣れ親しんだ人と一緒に受けるので、リラックスした状態で英語を使うことができると思います。しかし、知らない人と初めて話す場合はどうでしょうか。いつものようにリラックスした状態で英語を話せるとは限りません。実際、私が初めて模擬国連に参加した時は、自己紹介などの何度も反復する英語はスラスラ話せたのですが、その後に相手から来る質問や話す内容は思ったように話すことができませんでした。

模擬国連は、その場その場で対応する、より実践的な英語能力が求められます。そのため、ドメスティックな方で練習を重ね、オープンな方で他校の生徒ともかかわることで、自身の英語運用能力を高めることができます。

  • 教育プログラムとしての質の高さ

模擬国連が人気な理由には、もちろん英語力の向上や他校との交流がありますが、最も重要なのは模擬国連という教育プログラムの有意性にあります。前述のとおり、模擬国連は国際問題を様々な視点から考えたり、国連の仕組みを知れたりする良い機会になります。また、練習や本番を通じて英語力で伝える力(次章以降で詳しく説明します!)が期待できる面も魅力的なところです。

しかし、これらは模擬国連のメリットの中でもごくごく小さな部分に過ぎません。国際問題の理解や英語というのは、一般教育として重要ですが、模擬国連はもっと、「教育プログラム」という面で大きなメリットがあります。

例えば、模擬国連で養うことができる能力の一つに「リーダーシップ」があります。例えば、模擬国連では最終的に各国が納得する古音のできる政策をまとめた、Draft Resolutionという文書を作成します。そして勿論、DR作成者は各国に大使に、DRに納得できるか、どのような点を変更したいかを聞きだし、大使同士の意見をまとめていかなければなりません。参加者の意見を聞き出し、とりまとめ、新しい考え(政策)を提案する力は、リーダーシップの条件に欠かせません。私が初めて模擬国連に参加した時は、どのように立ち回ればよいのかがわからず、リーダーシップをとることはできませんでした。が、DRを事前に作ったり、相手の国の情報を調べたり、積極的に聞きに行ったりといったリーダーシップをとるための準備を重ねていくことで、誰でも会場でリーダーシップをとることは可能です。

また、協調や傾聴の面でも模擬国連は良いプログラムといえます。リーダーシップとも関連しますが、模擬国連では、大使の国益や政策を聞き出し、それらを統合していくことが求められます。そのため、リーダーシップをとるうえでは必然的に相手の意見を丁寧に聞くこと(傾聴)と、それぞれの大使から出された意見に納得できるところと納得できないところに対する妥協点を探す姿勢(協調)が養われるのです。これらの能力は模擬国連だけに限らず、MOISで度々おこなわれるグループワークやプレゼンテーションにも応用できますし、協調や傾聴に至っては日常会話でも必要なスキルです。MOISでは自分の意見を発信することが重要視される傾向にありますが、その意見を聞いてもらうためにはまず相手の話をしっかり聞くことが必要です。お互いに「この人は私の話を真剣に聞いてくれる」という信頼関係が成り立っているからこそ、お互いに安心して意見を発信することができる環境が形成されるので、模擬国連はそういった意味で優れたプログラムであるといえるでしょう。

4.まとめ、MUNとは

   MUNは、ただ英語が得意な人だけでなく、今後の学校教育におけるプログラムとして非常に有用であることは確かです。大宮国際は、開校して間もなく模擬国連に参加する人が多い印象を受けました。しかし、このように自発的に参加してくれる生徒だけでなく、模擬国連のメリットについてより多くの方に気づいてくれる機会を運営側から提供することも必要でしょう。私達は、その機会を提供するため、開校6年目になって正式に模擬国連のサークルを立ち上げました。英語を通してのコミュニケーションや、学校を超えた交流、リーダーシップやグループワークに興味があれば、ぜひご参加ください! 次章からは、MOISとMUNの関係についてより深堀りしていきますが、やはりMUNが生徒にとって有用な教育プログラムであるという主張は変わりません。ぜひ、ご拝読ください。

Chap.3 MOISとMUNの親和性

1.MOISの教育理念

本章では、MOISでなぜ模擬国連が必要なのかを、双方の目的・理念を紹介するとともに述べていきます。まずは、MOISの理念を見ていきましょう。以下は、大宮国際中等教育学校のパンフレットから抜粋したMOISの理念になります。

「大宮国際中等教育学校では、 様々な学びの中で課題に向き合い、失敗を恐れず立ち向かい、未知や想定外に出会っても驚かず、自ら新しい価値を創って楽しむ場面を設定しています。また、学校の学びが社会に近づけるよう、外部の人や社会と多くつながり、将来、実社会で役立つ経験を積み重ねた教育活動を展開しています。そして、それらの学びを通して Grit(やり抜く力)、Growth(成長し続ける力)、Global(世界に視野を広げる力)の3つのGを6年間通してバランスよく身に付けることができます。また、「生涯にわたって自ら学び続ける力」や「自分の頭で考え抜き、新しい価値を生み出す力」など、国際的な視野に立って多様性を理解して探究し続ける「真の学力」を 6 年間の連続性の中で育んでいきます。」

MOISの目指す姿はこの文に端的に表れていますが、今回はその中でも特に着目すべきポイントを絞ってご紹介します。

  • 主体的な学びあい

MOIS生であれば何度も聞いた、「主体性」です。これだけでは、自ら進んで行動する姿という意味ですが、MOISではこの主体性に加えて「協働」の姿勢も重要視しています。つまり、他者と能動的に関わり合い、問題を見つけ出して解決する力を重要視しているということです。

  • 新しい価値を生み出す

MOISの強みとして「3Gプロジェクト」がありますが、この授業の本質は、生徒自らが自分にとって価値のあるモノを見つけることにあります。ここでいう「モノ」は、例えば料理やスポーツの研究、校外でのボランティアなどが挙げられますが、よりマクロな視点では、「他者貢献が好き」「この分野に関わっていきたい」など自身の好みの傾向にも適用されます。いずれにせよ、自身にとって価値のあるモノを生み出すという部分にMOISは長けています。

  • 多様性の理解

三つめは国際的な教養を身に着けるうえで欠かせない「多様性の理解」です。MOISではさんざん言われ続けてきた多様性ですが、今一度この多様性について振り返りましょう。

社会一般に言われている多様性とは、いわゆるジェンダーや年齢、国などが挙げられます。実際、多くの場合そのような人自体を指すものとして使われることが多いですが、MOISの場合は少し意味が異なるように思われます。

確かに、人自体の多様性もあるのですが、MOISの場合は選択肢の多様性もあるのではないでしょうか。MOISの大きな特徴として、生徒企画のワークショップやASA活動がありますが、それらは選択肢の多様性をよく表しているといえるでしょう。生徒が自分の興味や、やりたいことに沿って、いい意味でばらばらに活動している部分は、MOISの多様性を評価する時の一つの指標となります。また、MOISはこの点において、お互いがやっている活動を否定しないところが良いところです。否定しない雰囲気づくりが先か、みんながばらばらにやり始めたことが先かはわかりませんが、どちらにせよ多様性を無意識に受け入れている、当たり前としている部分がMOISの特徴といえます。

このように、MOISは様々な面で魅力的ですが、実はこれらの長所は模擬国連の目指す姿とも近しいということを事項でご紹介いたします。

2.MUNの目指す姿、MOISの目指す姿

それでは、MUNについてご説明いたします。まず前提として、MUNの目的は国際問題の理解の深化と国連の仕組みの理解にあります。国連の仕組みの理解という点は、もともと模擬国連が企画されたのが、第一次世界大戦後の国際連盟設立から間もなかったため、社会的関心も高かったという背景があります。しかし、第二次世界大戦後を終えた後、今日まで様々な紛争や戦争がありましたが、第二次世界大戦と同規模の戦争はありません。そのため、ハーバード大学で初めて模擬国際連盟が開かれた時期に比べれば、「国連の仕組みを理解する」という目的の需要は全体的に弱くなっているでしょう。そして、現時点ではもう一方の「国際問題の理解の深化」が、模擬国連の主たる目的となっているのです。

この目的において、各大使同士で行われる「非着席討議(Unmoderated Caucus)」は、模擬国連の中でも非常に重要な部分となります。なぜなら、非着席討議を通してお互いのトピック(国際問題)に対する見方を理解することは、国際問題への見方を広げることと同義であるからです。そのため、模擬国連は、他者との共同を通じて国際問題への関心を深める姿を一つの理想としている部分があるのです。

そして、この部分と、前述したMOISの理念の間には、複数の類似点があります。

まず、他者との協働には、自身は勿論、相手の主体性が不可欠です。お互いの国益を理解し、譲歩しながら国際問題に対処することは模擬国連の重要な過程であり、主体性を持った生徒はこの過程においてその力を十分に発揮できるでしょう。

また、MOISの理念にある「新しい価値の創造」ですが、こちらはDRに顕著に現れます。模擬国連は、模擬だからこそ、自由な発想でお互いの国の国益を達成する術を考えることができます。そのため、3Gなどで培った「自分にとっての価値を見出すこと」を応用し、お互いに強調しあいながら「相手にとって価値がある」DRを作成することも模擬国連において必要なことでしょう。

最後は多様性の理解です。模擬国連の参加者は、それぞれ異なった国を割り振られます。そして、参加者は各々の国の情報を調べた後、自国の大使を演じるのですが、各大使が異なる背景情報を持った他の大使と能動的に対話し、トピック(国際問題)を理解する過程は、「多様性の理解」の過程であるといえます。また、MOISの「選択肢の多様性」という面でいえば、国際問題解決のための様々な方法を議論し、強調しあいながら奇想天外な発想でDRを作成していくことも一種の多様性の理解でしょう。

以上が、MOISとMUNの親和性が非常に高い所以であり、同時にMOISでMUNが必要である理由です。皆さんも少しは模擬国連への理解が深まりましたか?

3.「国際社会の英語」―Not外国語学校, But国際学校―

別の項でも話しますが、国際言語における英語は、我々が考えているほど難しいものではありません。皆さんは、「英語をもっと外国人のように喋らないと」と思っていませんか?しかし、実際は相手に伝わるのなら、国際言語としての英語の機能は果たせるのです。 よく、外国語学校と国際学校は混合されがちですが、そのような面でいえば、MOISは国際学校であるといえるでしょう。なぜなら、米国人のネイティブのような流ちょうな英語を求められるわけではないし、卒業要件に英語の試験などがないからです。かといって、英語で話す機会は多く、英語ネイティブの先生と話す機会はほぼ毎日あります。そして、私たちが彼らと話すときは、流ちょうな英語ではなく、自分たちが伝えたい内容を手持ちの単語と文法を駆使して話しますよね。外国語学校であれば、欧米のネイティブを手本としてより美しくみえる英語を目指しますが、我々MOIS生はそれよりも自分が考えていることを伝える一つの手段としてとらえている人が多い印象を受けます。また、模擬国連で国際問題を理解するためには、多くの大使と話す必要がありますが、そこでは流ちょうな英語というより自分の国益や政策、相手への質問などが「伝わる」英語であるかのほうがはるかに重要です。なぜなら、模擬国連の目的は英語の上達ではなく、あくまで国際問題の理解を深めるためだからです。相手の国がなぜそのような立場をとっているのか。現状のDRのどこに問題があるか。それらを理解するうえで、英語が流暢である必要は全くありません。これは、国際学校としての位置づけであるMOISと非常に似ていませんか?

Chap.4 英語を用いた高等教育の学び

1.現在の英語教育の課題

この章は直接的に模擬国連とは関係ありません。ただ、模擬国連でも使用する英語について理解を深めたい方はお読みください。

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著者は2024年時点で高校3年生ですが、今まで聞いてきた友達の話や自身の実体験に基づく日本の英語教育のあり様には問題が溢れています。正確には、問題が解決されるまでの過程が著しく遅いということが一番の問題であり、すべての問題の根源にありますが。今回は、日本の英語教育にある問題を二点、私からご紹介します。

まず一点目は、目的と手段が混合しているという点です。皆さんの中に、学校で学ぶ英語は本当に英語話者との会話で使うことができるのか、そう思ったことのある方はいませんか?この疑問が出てくる背景には、少なからずこの「目的と手段の混合」があります。(前提として、ここでいう目的とは、英語を学ぶための「コンテンツ」であり、手段とはそのコンテンツを達成するための「道具としての英語」を指します。)

それでは、まずは目的と手段が混合していない場合の具体例をあげましょう。

Case1. 女性に恋する男性の話

ある男性が、海外の大学に留学しました。そして、そこで素敵な女性と出会い、男性は連絡を取りたいと思うようになりました。しかし、彼女は日本語がわかりません。そこで男性は、彼女と連絡を取るために必死で英語を勉強しました。一か月後、彼はその女性とスムーズに連絡を取り合うことができるようになりました。めでたしめでたし。お分かりになりましたでしょうか?もう一つ例をあげましょう。

Case2. 海外で政治を学びたい学生の話

政治経済が好きな高校生がいました。彼は政治経済のテストにおいて、高校でいつもトップの成績を取っています。ある日、その高校生はイギリスの政治体制について興味を持ち、現地で学びたいと考えるようになりました。彼は、政治経済の勉強において秀でていたので、行けるかと思いきや、英語は今まであまり勉強してこなかったので、留学に必要なレベルの語学力を身に着ける必要がありました。そこで、彼はイギリスで政治を学ぶために英語を勉強し、半年後、留学に行けるようになりました。これまためでたしめでたし。

お分かりになりましたでしょうか。一つ目の例では、「好きな女性と連絡を取る」ということが英語を学ぶための目的になります。そして、彼にとって英語は、その目的を達成するための手段・道具としての位置づけになっています。同様に、二つ目の例では、海外で政治を勉強するという、彼にとって価値のある「コンテンツ」を得るため、彼は英語を勉強しました。この例から私が述べたいのは、英語というのはあくまで自分の意見を主張したり、コンテンツを得たり、目的を達成したりするための国際共通語というツールに過ぎないということです。これは、考えれば当たり前のことかもしれませんが、例えば、このブログを読んでいる方の多くは日本生まれだと思います。皆さんは日本語をなぜ使うのでしょうか。小さいころから学んできたからという理由もありますが、日本にいる状況で、相手に自分の意思を伝達したり、逆に相手から情報を得たりする上で最も需要があり、身近で使いやすいツールだからだという理由もあります。純日本人同士の会話において、あえて日本語以外の言語を用いることはほとんどないですよね。

英語の場合も同じです。相手と意思疎通を図るうえで最も需要があり、身近で使いやすいのであれば英語を「道具」として用いればよいのです。

しかし、日本の場合は英語を道具として用いる場合ももちろんありますが、目的として使う場合もあるように思えます。歴史的にみると、日本は昔から他国と海で隔てられていました。そして、世界で貿易が盛んにおこなわれている時代、日本では江戸に重なりますが、その時期に日本では鎖国という政策がとられています。つまり、歴史的に日本は国外との接点がなかった、もしくは意図的に接点を設けなかった過去があり、この状況下で他国と外交する上で必要な「道具」としての英語はほとんど普及してこなかったように思えます。一部の外交官や優秀な留学生には必要なツールでしたが、ほとんどの日本人にはこの道具を持つ必要がなかったのです。

また、明治維新から始まり、第二次世界大戦後、日本は欧化政策に努めてきましたが、日本文化保護の観点から英語が公用語となることはありませんでした。しかし、国際化が進む中、英語を学ぶ必要性を意識し始め、大学入試の主要受験科目として英語が制定されたのですが、この時期に日本は手段と目的を混合するミスをしてしまったように思えます。

大学に合格するための手段として英語を用いることが問題なのか。それは勿論問題点の一つですが、手段・道具としての英語という位置づけは変わっていませんし、海外大学で学ぶために英語を学ぶために英語を学ぶことと大きな差異はないため、特段大きい問題点というわけではありません。一番問題なのは、前述のとおり、英語を学ぶことを目的としてしまう危険を孕んでしまったということです。

偏差値の高い大学に入るためには、高い英語運用能力を身につけなければなりませんが、その際決して目的を「高い英語力を身に着ける」としてはいけません。なぜなら、「高い英語力を身に着ける」のはあくまで目標であり、目的は自分が目指す大学に入ることだからです。これは英語を学ぶ上での大前提でありますが、それに加えて、日本では「手段としての英語」のニュアンスも少し異なります。前述のとおり、英語は国際社会において相手と意思疎通をするための道具・手段として位置づけられることが多いですが、今日の日本では、相手との意思疎通を目的とする場合より、主要受験科目としてコンテンツ化され、大学受験に合格するための手段としての面がより顕著なようです。他国とのかかわりが薄い日本は、今も昔も英語を実際に意思疎通のツールとして使う機会がありません。そして、国際化に伴って英語を学ぶ必要性が叫ばれる中、学校で英語教育をしたとしても、その能力は大学入学以降使う機会がないのです。

実際に使う機会がなければ、冒頭でも紹介した、「本当に学校で学んだ英語は通用するのか」という疑問が出てくるのは当然のことです。そのため、現在の日本における英語教育では、まず英語があくまで国際社会で相手と意思疎通をする手段・道具であるということを示す必要があります。日本は、住民のほとんどが日本人で構成される単一民族国家のため、意思疎通の手段として英語を使う機会が少ないですが、だからと言って英語を勉強する本来の目的を見えなくさせるのは、教育機関や学校が改善するべき点です。

そして私が思うに、模擬国連という教育プログラムは、手段としての英語という見失われた目的を再起するための有効策となのではないでしょうか。模擬国連は、ある国際問題について、各国が納得のいく改善策をまとめるというコンテンツ・目的があらかじめ提示されており、英語はそれぞれの大使たちと意思疎通を行う手段として使われます。そのため、模擬国連を学校の教育プログラムとして取り入れることは、試験に合格する手段として使われてきた、これまでの英語の概念を再構成する有効な手立てとなり得ると期待しています。

2.「伝わる」英語

  日本の英語教育のもう一つの課題として、国際語として英語を捉えられていない現状が挙げられます。明治維新の欧化政策から、日本が手本としてきた理想の社会構造は欧米、とくにイギリスとなりました。当時、産業革命を経て世界のトップに躍り出ていたイギリスは、日本だけでなく周辺のヨーロッパ諸国をはじめとする世界の手本となりました。今日の日本は明治維新の影響を要所で未だに引きずっていますが、それは英語教育においても例外ではありません。皆さんが英語のスピーキングを上達させたいと思った時、どのように話すことを理想としますか?多くの場合、アメリカやイギリスのような英語なのではないでしょうか。これは、明治維新に始まったイギリスを欧化政策の手本とする考え方と、第二次世界大戦以降のアメリカを手本とする米化政策をよく表していると言えます。確かに、EnglandのEnglishですから、イギリス周辺が起源の言語だという主張はわかりますが、国際社会における英語は勿論イギリスやアメリカのネイティブが話すようなイントネーション、アクセントの英語だけとは限りません。むしろ、これらは少数派とも捉えることができます。実際、世界で英語を話す人はおよそ10億人いるといわれていますが、その中でアメリカやイギリスのように英語を第一言語としている人は4億人に満たないと言われています。残りの6億人強は英語ネイティブではないのですから、当然いろいろな訛りやアクセントがあります。日本人のカタカナ英語も一つの訛りといえるでしょう。しかし、いずれにせよ「英語」という認識であることには変わりありません。重要なのは、「相手と意思疎通が可能な英語」ということです。独特の訛りやアクセントがあっても、相手に伝われば国際言語としての英語には何の問題もないのです。

  現在、日本の英語教育では第一言語を英語としているアメリカの英語を手本としています。それ自体には問題ないのですが、この英語だけが正当なものであるという認識は誤っているので注意が必要です。重要なのは、英語が国際社会において相手と意思疎通を図るためのツールに過ぎないということと、意思疎通ができるならどのような訛り・アクセントがあったとしてもそれは国際言語の英語として正当なものとして認識されるべきだということです。なので、日本のカタカナ英語でも伝わるのなら、それは国際言語としての英語なのです。重要なのは、アメリカ人のような流ちょうな英語を話すことではなく、自分が伝えたいことを相手が理解できる言語で伝えることができるということです。あるニュースで、英語を第二言語としている東南アジアの方に自分の英語の訛りやアクセントについてどう思うか聞いたものがありましたが、彼らはそれを一つのアイデンティティだと認識していました。簡単に言えば、日本語の中の秋田弁、関西弁のように、英語の東南アジア弁、東ヨーロッパ弁というような具合の認識です。日本における英語もこのような認識であることが望ましいですが、まだ歴史の名残をたどっているというのが現状のようです。

  模擬国連においてもこのことは変わりません。必要なのは、他国の大使に自分の国がどういう国かを英語で伝えられることであり、流暢な英語を話すことではありません。もし、あなたの国の大使が、「他の国に自国の政策や国益を知ってもらいたい」という目的ではなく、「流暢な英語を話したい」と思っていたらどうでしょうか。国の代表・大使を任せる気にはなれません。「模擬」国連だとしてもそれは同じで、相手に自分の意見を伝えることに注力すればいいのです。模擬国連の参加者だけでなく、日本で英語を学ぶすべての人はこのことを念頭に置く必要があります。

Chap.5 参加者同士の好影響

1.アクティブ・ラーニング

アクティブ・ラーニングは、その名の通り、生徒が主体となる学習形態の総称で、現在の教育において重要視されている一つの要素になります。今までのインプット重視の教育からアウトプット重視の教育に転換すると同時に、レポートやプレゼンなど、自己表現をすることの必要性が、このアクティブ・ラーニングでも示されています。

MOISにおいても、生徒主体の学びを重要視していますが、具体的に模擬国連とどのような関係があるのでしょうか。

まず、模擬国連という教育プログラムはアクティブ・ラーニングの一つの手法です。生徒が自ら国際問題を解決するために、他者との対話を重ね、最終的に一つのDRを作成する姿はまさにアクティブ・ラーニングを表しています。

勿論、アクティブ・ラーニングは、個人の学びにおいても有効な手法ではありますが、私は特に生徒同士の学びにおいてその真価が発揮されると考えています。つまり、アクティブ・ラーニングは学習者が相互に関わるという面で「アクティブ」なのです。模擬国連でも、他者に傾聴の姿勢を向けたり、協調しながらDRを作成したりしますが、これはまさしく学習者が相互に関わり合うアクティブ・ラーニングです。また、MOISにおいては自身のレポートやプレゼンに対して他の生徒が客観的な評価をする機会があると思います。あれも、生徒の主張に対して意見・アドバイスを重ねる一つのアクティブ・ラーニングの姿です。

このように、MOISとMUN、そしてアクティブ・ラーニングは相互に共通しているものがあるように思えます。それでは、次にMUNに焦点を絞ってアクティブ・ラーニングの効果をより深堀したいと思います。

2.「ただ乗り」を許さない学び

  模擬国連において、アクティブ・ラーニングの話を上げましたが、もう一つそれぞれの共通点をご紹介いたします。それは、「ただ乗り」の防止です。2020年あたりからコロナが蔓延し、オンラインツールを活用した授業が急増しましたが、それと同時に、オンライン授業のただ乗りも発生しました。ただ乗りとは、授業に参加はするが、グループワークなどでは働かず、出席単位だけを取る行為を指します。これはオンライン環境だけには限らず、いわゆる対面型の授業の場合でも、自分の意見を場に出さずにぼーっと先生の話を聞いている人がいることは事実で、そのような人はただ乗りをしている生徒と同義です。

そして、このような態度を許さないのが模擬国連です。模擬国連は、そもそも2人のペアで臨みます。ですので、仮に自身が活動しなければ、もう一人の負担が大きく増えてしまいます。複数人の授業で自分だけただ乗りするのは、自身にしか損が降りかからないので、ただ乗りをする人の心理的負担は軽い傾向があります。しかし、模擬国連の場合、自身が休むせいでもう一人に大きな負担がかかってしまうため、ただ乗りしづらい環境になっているわけです。また、模擬国連では、他国の積極的な大使から、自国について質問される場合がとても多いです。その際、自国のことを紹介できなければ、同様にペアの人に迷惑がかかりますし、DRを作るためにも情報共有は大切なので、最悪全体に迷惑がかかりかねません。この、自分事ではなく、他者と協力して活動しなければならないという心理状態が、模擬国連というアクティブ・ラーニングにただ乗りをしづらくしている所以です。

3.ロールプレイ型ワークショップの効果

次に、ロールプレイ型ワークショップにおける参加者同士の効果についてご紹介いたします。そもそも、ロールプレイ型ワークショップとは何のことでしょうか。これは、生徒自らが役になり切って演じることで、実際の状況を理解しようというプログラムです。模擬国連の場合も、参加者が各国の大使という役になりきり、国の事前情報を得て実際にトピックを解決するというロールプレイをしているため、その一例だと言えます。ロールプレイ型ワークショップの効果としては、自分自身が当事者意識を持つことができるという点にあります。通常の座学の授業では、教科書に書かれたものを読んで「海外ではこんなことが起こっているんだ」「この職業についている人はこんなことをしているんだ」など、「知識」として学びを得ます。しかし、ロールプレイ型ワークショップは、自身が当事者になり切ることで、「経験」として学びを得ることができます。また、あえて自分になじみのない国の人、職業の役になることで、新しい価値観やバックグラウンドを体験として得ることもできます。 しかし、ロールプレイ型ワークショップの効果を最大限発揮するには、担当する役の背景となる情報を緻密に調べ上げることが必要となります。模擬国連においても、準備段階では自国のトピックに関連する情報を入念に調べる必要があります。

Chap.6 これからのMOIS、これからのMUN

1.今後の目標

まずはMOISの方について。今年で開校6周年を迎え、完全な中等教育学校としてめでたく完成した大宮国際ですが、第三章で述べた、MOISの主体性や国際的な視野はもっと成長できるはずです。1年目から多くの分野に挑戦してきた1期生が、現在のMOIS像を形成してきたことは間違いありませんが、2期生以降の生徒たちが、私たちを超える勢いでいろいろなことに挑戦しているところに鼓舞されてきた部分も大きいです。主体的な活動を通して、お互いにいい影響を与え合うことができる環境づくりが、これからも続いていくとよいなと思います。そして、その環境づくりをフォローする形で、模擬国連という教育プログラムをより多くの生徒にとって身近な存在にしたいと思っています。そのためにも、MOIS MUN Circleはまず校内模擬国連に注力し、最低でもMOIS MUN Circleのメンバーが年に複数回校内で模擬国連を体験できるようにしたいと考えています。さらに、学校のLAやEIの授業と、このサークルの活動と学校の授業をコラボし、模擬国連を授業で全員が一度は出来るようになるような計画を立てています(あくまで計画なので、2024年5月20日現在、まだ先生と打ち合わせはしていません)。

しかし、やはり模擬国連に参加するのに、英語能力等の問題で抵抗意識があるのは事実です。そのため、一度模擬国連に参加してみて、そのハードルを自ら壊すことができる機会が必要だと感じています。実際、LAの授業では4年生の時にMUNに関連したユニットを行っており、そこと協力していければよいなと思っています。

2.目標達成までの課題

現在は、6年の綾部、木ノ内、鈴木主導でサークルの運営を行っていますが、上記の目標を達成するためには、私たちの代だけでは不可能なことも多くあります。まずは、MOISの模擬国連に参加してくださるメンバーの方や、運営側の知識がある生徒を誘致していかなければなりません。そうして、模擬国連の活力を高めていき、校内外で活発に活動する雰囲気づくりやシステムを作っていこうと現在活動しているところです。

また、授業との連携については、サークルの活動や人数がある程度安定してからの話になると思うので、まだまだ先になるでしょう。それに伴って、現在私たちは、今後後輩にサークルを受け継いでいく計画をを立てています。具体的には、メンバーにこのブログで書いた内容を引き継いで、活動の方向性を定めたり、私たちが現在行っている広報やMOIS MUNの企画など、模擬国連の運営面の活動を、ブログなどを通して記録したりしていこうと考えています(このブログもその活動の一環です)。また、サークルとしては、やはりいつも新しい挑戦をしていかなければならないと感じているため、MOISの授業や校外のサークルとMOIS MUN Circleの合同企画など、現在私たちが考えている展望を伝えていきたいと思っています。

総じて、まずは今年のサークルの活動を通して、メンバーにできるだけ模擬国連とMOISの精神を再確認しなければいけないでしょう。

Chap.7 まとめ

1.MOIS MUN Circleに参加しませんか?

最後の章になります。まずは皆さん、ここまでお読みくださり、本当にありがとうございます。そして、皆さんに一つ言いたいことがあります。それは、

「MOIS MUN Circleに参加しませんか?」

です。本ブログをお読みくださった方であれば、模擬国連という教育プログラムが魅力的なものに見えてきたのではないでしょうか。そして、読者の方の中に興味を持ってくださった方がいらっしゃったら、是非一度私たちのサークルに参加してほしいなと思います。私たちのサークルでは、MOIS内で開催する模擬国連や校外の模擬国連に向けた練習を日々行っていますので、参加したことがない方も、練習の時間を確保したいという方も是非一度ご検討ください!

2.代表の意気込み

ここまで長々と模擬国連について述べてきましたが、私は卒業前の最後の年に、MOISに何か残したいという思いがありました。そのなかで、MUNのサークルを立ち上げようと決心し、今まで奮闘してきました。今は、可能ならこのサークルが今後も続いてほしいと思っています。このブログでもお伝えした通り、MUNはMOISの理念と非常に親和性が高い。圧倒的に相性の良い教育プログラムであるのは明白なのです。

MUN Circleの代表として、私は模擬国連という教育プログラムを、MOISの生徒が気軽に体験することのできる身近なプログラムというイメージにリメイクしていきたいと考えています。現状の模擬国連の問題は、最初に参加するまでのハードルです。「英語が流暢な人がたくさんいるだろうから私は無理かも」「模擬国連って固いイメージがあるし難しそうだから参加しない」そういった意見が多く寄せられます。

しかし、模擬国連の本質は、英語を上達させることではありません。模擬国連は国際的な視点を身に着け、他者と共同し、能動的に考える能力を発揮する優れた教育プログラムなのです。

私はそれを発信し続け、MOIS MUN Circleを引っ張っていきたいと思います。ご拝読ありがとうございました。