さいたま市主催の模擬国連ワークショップに参加させていただきました!

こんにちは、6年の鈴木輝真です。前回は、「MOIS MUN Circleを立ち上げてみた!」という内容でレポートを投稿させていただきましたが、今回は、先週の6月2日に開催された「さいたま市模擬国連ワークショップ」についてご紹介させていただければと思います!私自身もお邪魔させていただきましたが、とても有意義で楽しい時間を過ごすことができましたので、是非ご覧ください!

List

Chap.1 模擬国連ワークショップでは何をしたの?

Chap.2 改めて感じた、模擬国連の楽しさと難しさ、そこから得られる学び

Chap.3 8月の模擬国連に向けて

Chap.4 これからのMOIS MUN Circle

Chap.1 模擬国連ワークショップでは何をしたの?

先週、6月2日に開催された模擬国連ワークショップ、こちらはさいたま市の方で主催されたものです。中学生と高校生が参加しましたが、テーマはそれぞれ異なりました。中学生は「国連で出すのにふさわしい料理って何だろう?」、そして高校生は「核軍縮・核不拡散」。本校大宮国際だけでなく、さいたま市から様々な学校の生徒が集まりました。MOIS MUN Circleからも、中学生と高校生合わせて10名以上の方が参加しました!

今回の模擬国連ワークショップは、8月に開催されるAll Englishの模擬国連の練習の位置づけで、使用言語も日本語、流れもかなり簡略化されていました。

具体的には、本来であれば、2~3ヵ国のFormal Speechの後、非公式討議に移行しますが、今回はすべての大使のFormal Speechを先に済ませてから、非公式討議を長めにとるという流れで進行しました。非公式討議の時間で他国の大使とじっくり話すことができたので、初対面の人たちと親交を深めたり、模擬国連になれるという面では、この流れもいいなと思いました。

そして今回は、高校生が行った、「核軍縮・核不拡散」の模擬国連についてご紹介します!

【内容・流れ】

高校生は「核軍縮・核不拡散」という議題で会議を進めました。Formal Speechでは、各大使が核軍縮・核不拡散へのスタンスを表し、非公式討議に入ると、それぞれ話したい国のところへ行き、グルーピングを行っていました。

グループは、大きく分けて三つに分かれていました。一つは核軍縮・拡幅拡散に賛成のグループ。こちらは、主にアメリカやイギリスなどの先進国が所属していました。二つ目は、核軍縮。核不拡散に反対のグループ。一つ目の賛成派に所属していた核保有国以外の核保有国は、大方こちらに所属していました。そして最後は中立のグループ。主にエジプトなどが所属していました。

核軍縮・核不拡散に賛成のグループは、今後10年間で15%核を減らすという、核軍縮を明記したDRを作成していました。一方で、反対派のグループは、核軍縮に「努力」するという旨のDRを作成しており、国際協調の姿勢を見せながらも、賛成派よりは核軍縮に消極的な印象を受けました。そして、エジプトをはじめとする中立国は、どちらのDRにも賛成するという意見で、あえてDRを作らず棄権するというスタンスをとっていました。

最終的には、核軍縮賛成派のDRはスポンサー国数を満たし、正式に議長の下へ提出されましたが、反対派が作ったDRは惜しくもスポンサー国数が足りず、廃案となってしまいました。また、最終的な投票では、核軍縮賛成派のDRが可決されました。

ちなみに、著者が担当していた国はロシアなのですが、今回の議題は本当に大変でした!のちのチャプターでこちらについてはご紹介いたします。

Chap.2 改めて感じた、模擬国連の楽しさと難しさ、そこから得られる学び

今回参加した模擬国連では、多くの学びを得られたと同時に、改めて模擬国連は難しいなと痛感しました。このチャプターでは、実際に模擬国連に参加した生徒の話をご紹介いたします!

【生徒S.T】

特に非公式討議では、核軍縮について相手国がどのようなスタンスをとっているのか、なぜそのようなスタンスをとるに至ったのか(=歴史的、地理的背景)を知ることができました。そのため、やはり模擬国連は国際問題の理解に大いに役立つ教育プログラムなのだなと、再認識しました。

また一方で、模擬国連の難しさを感じる場面も多々ありました。私の担当国はロシアだったのですが、最初は「全ての核保有国が核軍縮に取り組むのなら、私たちも核軍縮を行おう」というスタンスをとっていました。しかし、中国などの核保有国は、核軍縮に反対の姿勢をとっており、そうなると我々も核軍縮反対に回らざるをえませんでした。

このように、模擬国連では、あくまで「自国を代表する大使」という立場で臨みます。そのため、私は「全員が核軍縮に賛成すればいいのに」と思う反面、自国のスタンス的に核軍縮反対派にならなければいけないという場面も多々あります。しかしこのように、自身と担当国の考えにズレを感じると同時に、私には「自国を背負っている」という責任感もありました。そのため、相手の声に耳を傾け、国際問題を理解しようという姿勢を常に意識できたと思います。

【生徒A.M】

6月2日の模擬国連ワークショップでは、核軍縮・核不拡散について、国際社会で統一した目標を決めることの難しさを特に感じました。そもそも、世界は核保有国と非保有国の2つに分けられ、それぞれがそれぞれの安全保障の考え方を持つため、意見が合いにくいという難しさがあります。さらに、国によっては保有国の核の傘によって安全保障が守られている国もあるので、非保有国だからといって、やみくもに核軍縮に賛成しにくいといった現状もあります。

こうした難しさもありますが、その中で国際社会としての最適解を見つけていくという作業は、批判的思考スキルを鍛え、コミュニケーション能力を向上させることができると思います。模擬国連は、フォーマルスピーチで各国の公式見解を聞き、それを踏まえてカジュアルなディスカッションを行います。だからこそ、各国のスピーチで得た前提情報を土台としてディスカッションが行えるため、議論がより深まると思いました。これは、ただのディスカッションではなく模擬国連だからこその特徴だと思います。

私は今回ロシア大使として参加しましたが、スポンサーが思うように集められず、自分たちのグループの決議案を議場に提出することはできませんでした。これは、妥協案が更なる改善の余地があるということでもあります。私たちは、核軍縮・核不拡散を行うと同時に、各国の安全保障も担保しなければなりません。現在も紛争や戦争が起こっている国があるということを念頭においた上で、どのようにして核軍縮・不拡散に向かっていくべきかということをより突き詰めて、決議案を書ければよかったなと思います。

【生徒W.R】

今回のワークショップでは全ての国が納得できる決議案を作成するために、自分の代表国と対立する国とも積極的に関わりました。やはり「譲れない立場・意見」をもっている国が多いため交渉するのが難しいですが、同時に楽しさを感じました。
このように模擬国連は、異なる意見をもつ人達とどのように協働できるか考える力が付きます。また、話したことのない人と議論を展開できるので、コミュニケーション能力も伸びると思います!

このように、模擬国連では、勿論様々な学びが得られます。しかし、その学びの中にも「国際協調の難しさ」という部分は常にあります。模擬国連という教育プログラムは、単に「自国と議題の関係を理解する」、「英語力を高める」だけでなく、むしろ「国際関係の理解」や「互いを協調し合うコミュニケーション」などを学ぶことに本質があるのではないか、と思います

Chap.3 8月の模擬国連に向けて

今回の模擬国連ワークショップを経て、今度は8月のAll Englishの模擬国連に参加します。議題は、今回高校生が行ったものと同じ「核軍縮・核不拡散」になります。会議の流れも通常のものと同じになりますので、より入念な準備と練習が必要になります。そのため、現在MOIS MUN Circleでは、定期的にメンバーで集まって模擬国連に向けた準備を行っています。

我々運営としても、メンバーが模擬国連で得られるものを最大化できるように、事前準備のアドバイスや本番の戦略などを伝えていければと思っています。

Chap.4 これからのMOIS MUN Circle

また、8月のさいたま市模擬国連ワークショップが控えている中、我々は6月下旬に「第一回 MOIS MUN」を開催します!テーマは「安全保障理事会」。この議題には、8月の核軍縮・核不拡散にもつながる「拒否権」の話が登場するかと思われます。ですので、このMOIS MUNを通して、メンバーにより国連についての理解を深めてもらえればと思っています。

また、このMOIS MUNは、今後も定期的に開催していこうと思っています。模擬国連をMOIS生にとって身近な存在とするため、メンバー一同頑張っていきます!